asagao5-11’s diary

300~600字程度で、昔の記憶を記録する

< 祖父母を肩車 >

父方の祖父母は明治末期生まれ。祖父は身長180cmで当時と してはずば抜けて高い。祖母は逆に140cm台と小柄でかわいら しい。祖父には幼少時、よく“肩車”をしてもらった。見晴らし は大変良く、ゆうに2mは越えていたが家の鴨居によくおでこを ぶつけて泣いて…

< 成長してるんだ >

昔、遊んだ場所へ行った。どれも小さい。こんなに小さかったの か?ジャングルジム、ブランコ、鉄棒、学校の机、ザリガニ取った 用水路の幅、階段の高さ等 確認できそうなものはたくさんある。 それだけ自分は大きくなったんだ。 すでに祖父母は他界したが、…

< ヘリに追われた! >

学生時代、友人4人で北海道ツーリングへ行ったその帰り道、 船で函館から青森へ入り東北自動車道を南下中にヘリ(ヘリコプ ター)に追われた。 岩手県に入った。真っすぐな高速道路は眠くなる。歌を歌う、 スピードを上げて緊張感を持たせて走行する。一番…

< 痛みに痛みはない? >

14歳の時、バッサリ左肘等を切った。風呂場でのぼせてガラス 扉に突っ込んだ。その日に限って湯はたっぷり、かなり熱め。水を 入れればいいものを我慢して入っていた。「もう限界、さぁ出よう」 と湯舟から出た瞬間、気を失って倒れた。ガラス扉の割れた音…

< 箸を忘れた味 >

私:「あ~、また忘れた箸!」自分に嫌気がさす。 母:「お弁当、作るまでしたんだから、後は自分で箸入れてナフキ ンに包んで持っていってよ!」と言われていた。 母は私が中学高校と6年間も毎朝5時に起きて、自分の仕事がある なしにかかわらず、お弁当…

< 海老を見ると >

公団に住んでいたとき、まだ小学校に上がる前である。 お隣のK君ちの玄関前で大声が聞こえた。 K君の母:「こらっ!!そんなもん取ってきて!!どうするのよ~」 「捨ててきなさい!ベランダはそんなもん置けないよ!」 バケツの中には数十匹のマッカ(アメ…

< ちんたらちんたらして >

小学生の頃、母からよくこの台詞を聞いた。自分ではあまりとい うか全然ピンときていなかった。 羊年生まれの人はみんなのんびりしている? 祖母:「あんたは人一倍やらないとみんなと同じにならないから」 と言われた。干支で全てが決まるのか?そんなバカ…

< 通知表と宿題 >

昔は小学校の一学期の修了式が私の誕生日だった。梅雨明け本番 の日。夏休みに入る嬉しさの前に、両親は「見せるものがあるでし ょ!」と渋い顔で言ってくる。プレゼントはさておき「通知表」で ある。良いはずがない。母は「何でこんなに悪いの?良いのは“…

< ごはんつぶ >

毎日3食お世話になっている“ごはん”。幼少時、茶碗の所々に 残る“ごはんつぶ”を祖父が見て「一粒も残さず食べなさい。お百 姓さんたちが一生懸命に作ってくれたんだから」とよく言われた。 つぶ(粒)の集合体はパン以上に腹を満たしてくれる。その“ごは ん…

< お姉さん、お元気? >

母の小学生時代の同級生の一人が歯医者さんをしていた。その歯 医者には家族全員40年以上お世話になった。腕も良く、物静かな 先生で安心して治療に専念できた。 この歯医者の受付のおばさまは先生の奥様ではなかったが、いいこ とが書けないくらい“愛想が…

< 帰れない >

運転免許を取るために海を渡った。片道運賃が無料というオマケ 付き。30年以上も昔のことである。当時としては合宿免許講習料 27万円はおそらく高い部類だろう。東京から船の夜行便で6時間、 熱海からだと高速ジェットで60分、場所は伊豆大島である。…

< 初めての丸刈り >

中学2年の時、中間テストの数学で28点を取った。50点満点で はない、100点満点だ。“いかん” “やばい” “えっ!?” 両親はもちろん、塾の先生の顔が浮かんでは消えの繰り返し。 父:「どうしたらこんな点数が取れるんだ?」 私:(心の中で 取りたくて…

< アサガオを残し >

これは極々最近のことだ。 コロナ禍の中、悩みに悩み店を廃業した。10周年を迎えることな くピリオド。開業月に東日本大震災が、廃業は新型コロナウィルス と災害続きだった。 店を始めた翌年から5月のGWにアサガオの種を蒔き始めた。 小学生の時から好き…

< 起きてくると思った >

死んでいるのに、起きてくると思った。祖父が死んだ、77歳。 33年前、私は階段から転げ落ちて左足首を捻挫して松葉杖をつい ていた。葬式なのに役立たず。 襖1枚向こうで寝ている、いや安置されている。 「人が死ぬってどういうこと?」 「人は死ぬんだ…

< ラジオ体操 >

ラジオ体操の曲を聴くだけで小学校の夏休みを思い出す。懐かし く、ちょっと嬉しく(夏休みに入っても友達に会える)なる。 朝6時15分になるとワサワサと声が大きくなり、人が集まってい る感が布団の中からでも聞こえてくる。「あっ!もう行かなきゃ」 …

< 救急車 >

今までの人生で2度救急車のお世話になった。一度目は風呂 場でのぼせてガラス扉に突っ込み血だらけに、二度目は乗って いたバイクと車の衝突事故。 運んで頂いているのに、救急車の乗り心地はあまりよろしく なかった記憶がある。商用車がベースなのだろう…

< 日曜日の夕方は >

お父さんがくすくす笑っている。 いつも無口なお父さん。日曜日の夕方5時半になるとテレビをつけ て4チャンネルにまわす。 洋間で柿ピーとウィスキーを飲みながら1人で笑っている。 私:「お母さん、お父さん1人で笑っているよ」 母:「おかしいんでしょ…

< 箸の持ち方 >

子供のときの夕食時、母は私の正面に座っていた。 私は「いただきます!」と言い、箸を取り一番食べたいを真っ先に 取り茶碗にのせる。口に運んだその瞬間、“ビシッ!!”と母の手は カルタ取りのように素早く私の右手に当たった。鈍い痛みを覚え箸 が床に落…

< お尻を拭くトイレットペーパーの長さ >

母:「どこまで長く出すの~」 「ほらぁ~詰まったじゃない!」 祖父母宅の作ったばかりの2階のトイレで事は起きた。 1階は和式トイレ、2階は新設の洋式トイレ。 団地育ちの私は洋式に慣れていた。 2階にはトイレはなかった。2階で寝る祖母は夜中 わざ…

< 手を洗うとき思い出す目線 >

< 手を洗うとき思い出す目線 > 母が「外から帰ってきたら!?」 私は「手を洗う」と言う。 私の年齢は4歳か5歳か。 父と洗面所へ行く。先に父が手を洗う。父の両手を下から覗き込む。 石鹸でくまなく洗う。大きくて分厚い手だ。 そして私の番、しかし両…