asagao5-11’s diary

300~600字程度で、昔の記憶を記録する

< アサガオを残し >

 これは極々最近のことだ。

コロナ禍の中、悩みに悩み店を廃業した。10周年を迎えることな

くピリオド。開業月に東日本大震災が、廃業は新型コロナウィルス

と災害続きだった。

 店を始めた翌年から5月のGWにアサガオの種を蒔き始めた。

小学生の時から好きな花である。梅雨時につるや葉を伸ばし、早け

れば梅雨明けには一輪目が花開く。色とりどりに10月まで楽しま

せてくれる。花言葉は「愛情」。

小学校の時は夏休みの宿題で悩まされていた絵日記。後でやればい

い➡やるわけなく適当に思い出すのも大変だった記憶がある。

 今年も5月GWに種を蒔いた。自宅のベランダで育てていた。し

かし、コロナ禍で廃業と引っ越しでアサガオをどうしようかを考え

た。いずれ刈られてしまうかもしれないが、店頭の歩道街路樹の土

に自宅で双葉まで育ったアサガオを移動し、残りの種も蒔いた。

 今年は長梅雨だった。根が腐ってしまうか不安だった。引っ越し

までには咲かず、開花を見ることはできなかった。1カ月後、雑務

処理で店に行ったら、“たくさ~ん咲いていた!!”嬉しかった。

しばらくは咲いてくれそうだな。行燈を立ててこれなかったから、

ガードレールに巻き付きながら横へ横へと伸びていた。

 先日末、お客様からメールを頂いた。

「店頭のアサガオ咲いていますよ!」

店主のアサガオは店がなくなってもしばらく咲いてくれていたんだ

と感慨深かった。