< 初めての丸刈り >
中学2年の時、中間テストの数学で28点を取った。50点満点で
はない、100点満点だ。“いかん” “やばい” “えっ!?”
両親はもちろん、塾の先生の顔が浮かんでは消えの繰り返し。
父:「どうしたらこんな点数が取れるんだ?」
私:(心の中で 取りたくて取っているわけじゃないし)
この中間テストで著しく悪かったのは“数学”だけであったが、ここま
で悪いとは思わなかったが事実は事実である。
全ての教科結果を塾へ持って行く。同級生と比較、どこが一番ひっ
かかったのか、復習である。
数学の先生:「挽回するには期末テストで頑張るしかないが、その前
に“反省”という意味で反省文とあと何かプラスだな、点数が点数だし」
「(ボソッと)坊主だな、丸刈りにして一から出直し!!」
帰宅して両親と相談した。
父:「丸刈りにして反省して心入れ替えられるならしてもいいけど」
意を決して、次の日曜日、近所の床屋でバリカンを入れてもらった。
店主:「何かあったの?」
刈られている時は、なかなか気持ちが良いもので、もしかしたら
“天然パーマ”が直るかもしれないと当時はプラス志向にとった。
(直るはずがない、根っこからパーマなんだ)
通学途中、友達は皆揃って振り返る。そして驚き、笑う。
友人ら:「どうした?大丈夫か?相談のるぞ?野球部でもないのに」
拳骨でをグリグリする友人もいるし、触り心地がいいようで撫でてく
る友人もいた。いいだか悪いんだか。
丸刈りは中学卒業まで続いた。卒業アルバムは坊主である。
幸いなことに、物が上から落ちて怪我をしなかったのは良かった。