< 海老を見ると >
公団に住んでいたとき、まだ小学校に上がる前である。
お隣のK君ちの玄関前で大声が聞こえた。
K君の母:「こらっ!!そんなもん取ってきて!!どうするのよ~」
「捨ててきなさい!ベランダはそんなもん置けないよ!」
バケツの中には数十匹のマッカ(アメリカザリガニ)が入っていた。
K君は必至に母に食らいついていたところに、私が玄関の扉を開けたら、
K君:「これマッカだよ!たくさんあるから少しいらない?」と。
私の母:「(バケツに中を覗いて 首を横にふった。)」
私 :「うちは金魚がいるから、マッカまでは飼えないよ」
K君の母:「ほら~ 捨ててきなさい!!何度も何度も同じことする
んじゃないよ」
K君は、渋々、階下へいって小川へ捨てに行った。
数日後、母が海老を料理中
私:「ザリガニみたいだね」と言ったら、
母:「いやね~、おいしくなくなっちゃうじゃない」
「じゃ~あんたは生臭いザリガニ食べなさい。」
私はバツが悪く無言で引き下がった。
小説で「がばいばあちゃん」を読んだ。
川から流れてくるザリガニを“伊勢海老”と言って食べていた。
普通の“海老”ではなく“伊勢”がつく。
食べる部分だけみれば同じじゃないか?と思うのは私だけか。
母には 表現が貧しいと言われた。