< 箸の持ち方 >
子供のときの夕食時、母は私の正面に座っていた。
私は「いただきます!」と言い、箸を取り一番食べたいを真っ先に
取り茶碗にのせる。口に運んだその瞬間、“ビシッ!!”と母の手は
カルタ取りのように素早く私の右手に当たった。鈍い痛みを覚え箸
が床に落ちた。
母は「洗っていらっしゃい、何度言ったら直るの?箸の持ち方」
日曜日の夕食、父に持ち方を教えてもらう。“中指をうまく使い
親指は添える程度” 父の手の動きを見ながら自分もやってみる。
大人になり外食することが多くなった。周囲の方々の持ち方を眺
める。箸がバッテンの人、見た目良さげに見えて変な持ち方の人、
様々である。
母よ、これも躾の一つ、美しい持ち方をありがとう。
4年の歳月が経っていた。厳しかったなぁ~。