asagao5-11’s diary

300~600字程度で、昔の記憶を記録する

< 懐のたばこ >

 父方の祖父のお見舞いに行った。場所は伊豆だったような・・。

景色の良い高原が広がる場所に病院があったと記憶する。

 病室に入った。おじいちゃんがいない。面会スペース、トイレ、

売店等へ行くが見当たらない。

母に、「おじいちゃんいない」と言ったら、

母は「トイレじゃないかしら?」と言う。

 再度トイレへ。大便用の一つに開閉口が“赤色”になっていた。物

音はしない。でも赤色。ちょっと怖かった。(他の誰かではないか

、倒れていたらどうしよう等)とトイレの壁の上段まで力づくで(

懸垂するかのように)上がってトイレ内を見た。

おじいちゃんが寝ていた。大きな口を開いて!!

私:「なんだ~、こんな所で寝て~、いないからびっくりした、こ

  こで何かあったのかと思っちゃったよ~、おじいちゃん起きて

  ~!」

大きなギョロットした目、

祖父:「お~、よく来たな~」

 

 病室に入る。

おじいちゃんは母にパジャマの内側に小さなポケットを作ってほし

いと頼んだ。母は持ち合わせていた針と糸で内ポケットを作り縫っ

た。

何を入れるかと思ったら、“たばこ”

私:「え~たばこ~!!」

祖父:「財布も入る」

私:「ダメだよ~」

祖父:「ばれやしない、大丈夫大丈夫」

 引き出しから小銭入れをだし、おじいちゃんは私に「いくら欲し

い」と言ってきた。

私は母の顔を見た。

母:「おじいちゃんがいくら欲しいと言っているから、あなたの欲

  しい金額を言いなさい」

私:「(もじもじして)500円」と言った。

母:「500円でいいの?」

私:「(頷く)」

祖父:「そんなんでいいのか?」

私:「(1万円なんて言えない。お小遣いくらいが丁度いい)」

500円札を頂く。

 

 賄賂成立!!