< 湯舟に浸かって100数える >
人生半世紀を過ぎた。
身体は冷やすより温めたほうがいいのだが、湯舟に浸かることが少
なくなり、シャワーを浴びて終わらせることが多い。シャワーは身
体を冷やすことを分かっているが、時間短縮のためシャワーを選ぶ。
ちょっと寒い、寒気がする、今日は疲れたと感じた時は迷わず湯を
張る。熱い湯でのぼせて大けがした経験上、熱くはしない。時々、
温度チェックする。
今になっても湯舟に浸かる時は自然と数を数える自分にふと気づ
く。い~ち、に~い、さ~ん、100まで数える。身体が温まったの
を数を数えて判断する。100が一つの目安。
住宅公団に住んでいた幼少時代、風呂は父と妹と3人で入る。お
しゃべりしながら、笑いながら、身体や頭を洗う。最後に3人湯舟
に浸かって100まで数える。
父は私や妹の肩に手を当てて身体の温かさをチェックする。祖父の
時は唇を肩につけてチェックする。
風呂を出ると脱衣場で母がバスタオルを持って待ち構えている。風
邪を引かないようにすばやく拭く。
100まで数えて風邪を引くことはない。これからも100まで数えて
身体の芯まで温めていこうと思う。