asagao5-11’s diary

300~600字程度で、昔の記憶を記録する

< お出かけ >

 半世紀程前の幼少時代は、月に一度か二度、土日のどちらかは

家族でデパートへお出かけをしていた。楽しくて楽しくて仕方が

なかった。本屋(有隣堂)へ行って、お目当ての本をよく買って

もらった。どこかで外食をした記憶はないが、祖父母が来ている

時だけ食べに行った。帰る間際、有隣堂の下の階に自動販売機が

あり、当時は瓶しかなく、ファンタグレープやファンタオレンジ

コカ・コーラ、スプライトなどがあった。父の小銭を見る度に

あんまり入ってないな~、その中からジュースを飲んでしまっ

いいのかとちょっとビクビクしていた。備え付けの栓抜きで栓を

抜きすぐ飲もうとしたら、父は瓶を取り上げて瓶の口をハンカ

チで拭いて僕にくれた。

 現在はとある大きな川の上流に住んでいる。近所に店らしい店

は、個人スーパー1件と郵便局のみである。

車で15分下るとコンビニが1件、さらに走ると先のスーパーより

品揃えがある個人スーパーがある。この2件で日常の生活は賄え

られる。

 50㎞を1時間15分かけて月に一度下山する。少しお出かけ気分

になる。別にあれこれ購入するわけではないが、下界は人が多く

、車もたくさん、大型スーパーは品揃えが豊富で何だかウキウキ

する。家の近所になくて本当に必要なものだけを購入し、山に上

がってくる。

 上流に上がるにつれ人も車も減り、電灯も少なくなる。非日常

から日常に戻ってきたとホッとする瞬間だ。山の匂い、澄んだ空

気、優雅に流れる川に魅了される。

 日常の生活に大変満足しているので、非日常のお出かけは月1

度で充分である。