< お出かけ >
半世紀程前の幼少時代は、月に一度か二度、土日のどちらかは
家族でデパートへお出かけをしていた。楽しくて楽しくて仕方が
なかった。本屋(有隣堂)へ行って、お目当ての本をよく買って
もらった。どこかで外食をした記憶はないが、祖父母が来ている
あり、当時は瓶しかなく、ファンタグレープやファンタオレンジ
、コカ・コーラ、スプライトなどがあった。父の小銭を見る度に
あんまり入ってないな~、その中からジュースを飲んでしまっ
いいのかとちょっとビクビクしていた。備え付けの栓抜きで栓を
抜きすぐ飲もうとしたら、父は瓶を取り上げて瓶の口をハンカ
チで拭いて僕にくれた。
現在はとある大きな川の上流に住んでいる。近所に店らしい店
は、個人スーパー1件と郵便局のみである。
車で15分下るとコンビニが1件、さらに走ると先のスーパーより
品揃えがある個人スーパーがある。この2件で日常の生活は賄え
られる。
50㎞を1時間15分かけて月に一度下山する。少しお出かけ気分
になる。別にあれこれ購入するわけではないが、下界は人が多く
、車もたくさん、大型スーパーは品揃えが豊富で何だかウキウキ
する。家の近所になくて本当に必要なものだけを購入し、山に上
がってくる。
上流に上がるにつれ人も車も減り、電灯も少なくなる。非日常
から日常に戻ってきたとホッとする瞬間だ。山の匂い、澄んだ空
気、優雅に流れる川に魅了される。
日常の生活に大変満足しているので、非日常のお出かけは月1
度で充分である。