asagao5-11’s diary

300~600字程度で、昔の記憶を記録する

< 駅そばの味の記憶 >

 30年程前の記憶である。 

 家に帰るまで我慢できない。腹が空いた。軽くでもいいから何か

食べて帰りたい。

 阪急神戸線塚口駅の上りホームにそのそば屋はあった。すかさず

入り、天ぷらそばを注文。できあがりの声がかかった。待って

ました!

まず、つゆをすする。「ん? ん?!」なんじゃこりゃ?!

つゆが薄い!何かの間違いか?もう一度すする、やはり薄い。店員

に言おうと思ったが、母の言葉を思い出した。「東京の味は濃い、

大阪は薄口よ あんたは東京育ちだから濃い口に慣れているのよ」

その通りだった。あまりに薄いので、醤油を2~3周かけた。

薄口天ぷらそばだけでは足らず、いなりを追加した。どうにか夕食

までの足しにはなった。